紆余曲折を経て、やっとまたコントラバスに復帰。喜んだのも束の間、レッスンは想像以上に厳しくて泣いた、音大変えることも考えた日々。
そんな話はこちら→ この厳しさに耐えられなければプロは無理?!
鬼のレッスン、でも良かったと思うこと
ワイマールの音大でレッスンを受た中で、「これは素晴らしい!自分のレッスンでも採用したい!」思うことの一つに、レッスン中は書き込みをしないというものがあります。
先生の言うことを聞きながら同時に書いていると、何か書き漏れがあるのです。レッスンが終わってから、特別に時間を設けて、再度レッスンを思い出して書き込み、もしくは別ノートに、注意されたことやこれから改善していくことを書いていきました。
(↑「考える」ということをサボっていると言われ、「考えたいという意志を持て!!」と書かされた楽譜)
楽器を置き、目の前の楽譜だけを見て考えるので、それだけに集中できて、レッスン中に「早く書いてしまわないと次に進んでしまう。。」という焦りが起こりません。そして、レッスン直後にそれをやることで、大事なことの聞き漏れを最小限に抑えられて、頭の中も整理されました。
もう一つ良かったこと。それは、先生が鬼のように厳しく辛い思いをしたことで、門下生同士が皆、助け合って仲良くできたこと。みんな同じ思いをしてるので、ときには愚痴を聞いてもらい、慰め合えて本当に助けられました。
そういえば、もうひとり音楽史の教授も講義中は何も書かせない派でした。最近思い出したのですが… やはり理由は同じで、聞きながら書いていると何か抜けてしまうということでした。
その先生は、講義で話すことを全て文章にしていて、学生たちはそれをコピーして聴講するのです。両方同時にやるのは大変なことですね。
集中する為にしっかり休む
レッスン自体は90分だったのですが、集中力が分散しないように、分けて週2回行われました。それは、他の楽器よりもデカい分、体力消費量も多いということもあると思います。
そして「レッスンや練習の合間は、コントラバスから離れて散歩をしなさい。」と。これにも意味があって、次の練習で十分集中できるように、しっかり頭と体を休ませる。
その為に、休憩時間は、体の緊張をほぐして、できるだけ頭の中を空っぽにするようにしました。周りは緑が多かったので癒されたし、散歩は結構頭の中が整理されました。
人前で恥を晒す
もう一つ良かったと思うことは、音階やテクニック含めて、練習している曲を常に誰か、コントラバス専攻性に聴いてもらうということ。最初は本当に嫌だったんですけど、、特に音階とか、簡単なほどアラが目立つし。
でも、やらなきゃならないし。。もう恥ずかしくてもやるしかない!といった感じでしたが、それをやることで、羞恥心というものを捨て去ることができました。
そして、同じバス弾きなので、より理解しあえて、事細かにアドバイスをもらえて、出来ないところを改善することができ、自信もついていきました。
私、アスリートなの??
レッスンの日は、2時間前にレッスン室に行って練習します。なので9時からレッスンの日は、5時半に起きて7時に学校に着く。でも、2時間あると朝イチのレッスンでも流石に頭が冴えてくるし、ちゃんと直前に休憩も取れて余裕ができます。それでも緊張するのですが。。
それに加えて、普段の練習は45分、100%の集中力で。それを1日に3〜4回。休憩時間は散歩や昼寝。筋トレやジョギングなどスポーツをすることも半ば強制的に勧められました。
そして、夜は11時に布団に入る。これ、全て練習の質を高めるためにです。この頃は、自分はアスリートか??と錯覚しそうでした。(笑)
Bass部屋は独特で面白い!
音大には、レッスン室と練習室でバス部屋が全部で3部屋ありました。普段は、このどこかで練習していたのですが、ドイツ人コントラバスのケースの中で昼寝するんですよ。まさに寝袋のような大きさですけど。
確かに、昼寝は先生から勧められたのですが。実際、先生も午前と午後のレッスンの間に昼寝の時間を取られてました。
それで、その誰かが寝ているところで弾くのですが、人の気配があると、なんか緊張感が出て、結構高い集中力でちゃんと練習できるのです。相手は意図して聴いているわけではないと分かっていても、サボれないなという意識が芽生えるんです。たまに「その音間違ってる」とか聴こえて来ましたけど。
そんな集中力での練習は、頭も体も疲れて(特に頭)本当に45分がちょうどよかったです。そして、同時に全く一人での練習が、いかに適当だったかを思い知らされました。人間って、やりたく無いことは無意識にスルーするんです。。
もう一つ、曲想を作る練習では、よく歌わされました。そして、声が小さかったりすると「本気で歌え!」と。←ここ大事。これも最初は嫌だったけど、結果とても良いことだったと気づきました。
自分の時はあまり分からなかったのですが、他の学生のレッスンを見る機会があり、一度歌うと明らかに曲想が豊かになるのを眼の前で見て、「こんなに変わるものなのか!」と、もう圧巻でした。
一つ一つとってみると、そんなに大したこと無いように思えるのですが、緻密に計算されて、無駄を省き、確実に上達に持っていく。本当に内容の濃いレッスンが受けられたのと、良いコンディションを作ることが習慣になったことは感謝しています。
そんな厳しいコントラバスレッスンを受けましたが、第2の専攻とも言える初等音楽教育学は、真逆の性質を持つ学科でした。その様子はこちら↓
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